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美容に必要なビタミンについて解説します

[2024.09.17]

ビタミンは美容を意識する上で重要な栄養素です。食物から十分な量を摂取することが理想的ですが、最近はサプリメントで摂ることが当たり前になっています。
しかし、私たちがビタミンを摂取しても、常に十分に利用されるとは限りません。ビタミンが吸収され、利用されて健康が得られたとき初めて摂取したビタミンが身体で十分に利用されたといえるのです。
そのためには、まず胃や腸、肝臓など消化管の働きが健全であることが大切です。
そうでなければ、せっかく食事やサプリメントから摂ったビタミンが利用されずに身体を素通りしてしまいます。
このような状態が続くと、ビタミン欠乏症状が現れます。
ビタミンは油に溶ける脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンがあり、それぞれに多くの種類があります。
そのため、美容をふまえたビタミンの摂り方を考える場合、ビタミンの種類、皮膚への作用、一日の適正な摂取量、どのような食べ物に含まれているかなど全てにおいて検討する必要があります。

①ビタミンA(脂溶性ビタミン)
ビタミンAは、皮膚や目などの上皮細胞の新陳代謝に関わるビタミンです。肝臓に貯えられ、そこから毎日必要な量が血液に送り出されます。そのため肝臓の機能が低下するとビタミンAを貯える力も弱まり、ビタミンAが不足しやすくなります。

ビタミンAの摂取推奨量は、男性900μg RAE、女性700μgRAE です。
※「RAE(Retinol Active equivalent):レチノール活性当量」
また耐容上限量(過剰摂取により健康障害が起きるリスクが高まると考えられる量)は男女共に2700μgRAEです。
野菜の中でも、特に緑黄色野菜にビタミンAが多く含まれるといわれていますが、ビタミンAとしてではなく、βカロテンとして含まれています。
βカロテンが体内に入ると、肝臓でビタミンAに変換されます。つまり肝機能が弱まるっている場合、緑黄色野菜を摂ってもビタミンAに変換されにくいです。その場合は、動物性食品(レバー、うなぎ、バター、卵、牛乳等)から摂取しましょう。

✴︎ビタミンA含有食品✴︎
レバー、うなぎ、卵黄、緑黄色野菜、肝油、チーズバターなどの乳製品


◉ビタミンAの欠乏症状
ビタミンAが欠乏すると皮膚は乾燥します。汗腺や脂腺の機能の低下によって皮脂膜が減少したり、角化が不完全になり角質の保湿能力が低下するためと考えられています。
また、皮膚の角層が厚くなり、同時に毛包壁の角層も厚くなるため、角質が詰まりニキビができやすくなります。更に、爪や毛も脆くなるなどの影響が出てきます。

またビタミンAの欠乏は皮膚の細菌感染も招きやすく、ビタミン類は新陳代謝を盛んにする作用があるため不足してくると皮膚の抵抗力が弱まり、皮脂も少なくなります。
皮脂以外では、ドライアイや夜盲症が起きることもあります。

◉ビタミンAの過剰摂取
ビタミンB群やビタミンCのような水溶性ビタミンは過剰摂取したとしても、余分なものは尿から排泄されるため問題ありません。
しかし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、過剰摂取した場合摂りすぎた分は体内の脂肪に貯えられ、脱毛や頭痛、吐き気などの中枢神経障害、胎児の催奇形性などが生じる恐れがあります。
特に妊活中や妊婦の方は気をつけましょう。

◉ビタミンA含有クリーム
ビタミンAクリームは主に乾燥肌の改善に使われます。冬の手荒れやあかぎれに効果があるため、水仕事の後にビタミンA含有クリームを手に使用すると手荒れ防止になります。
ニキビ肌の改善には、ビタミンAを1〜2万単位(3000〜6000μgRAE)内服すると良いとされています。
特に毛孔の角化が強く、ニキビが尖って固い場合や、顎下のニキビにも有効です。

◉トレチノイン療法
トレチノイン療法とは、医療機関で行うビタミンA誘導体(レチノイド)のひとつであるトレチノイン外用薬を使用した治療法です。
ニキビやニキビ痕、シミ、シワなどに効果があります。トレチノインはアメリカでは1960年代からニキビ治療薬として用いられており、現在は光老化皮膚(シミやシワ)治療薬としても認可されています。

日本では2008年からトレチノインよりも皮膚刺激の少ないビタミンA誘導体のアダパレンがニキビ治療薬として認可されています。
ビタミンA誘導体(レチノイド)には、トレチノイン、レチノール(ビタミンA)、レチナール、レチノイン酸などの化合物があります。
トレチノインはレチノールの約10倍の薬理作用をもつとされ、病院でのみ使用できる薬剤で、院内製剤として販売しているクリニックもあります。
表皮角化細胞の増殖促進、肌のターンオーバー促進、コラーゲン産生促進などの効果があります。

ただし、トレチノインの副作用として、「レチノイド皮膚炎」という症状があります。
トレチノイン塗布部位に、発赤、紅斑、痒みなどが生じる恐れがあり、使用し始めに起こりやすいです。もしも副作用により皮膚炎が生じた場合は、使用を中止し、ステロイド外用などの治療が必要になります。
また、塗り薬であっても催奇形性のリスクは完全には否定できないため、妊活中の方や、妊婦授乳婦の方はご使用を控えていただくことをおすすめします。
 
当院ではビタミンA誘導体であるレチノールを配合したナノメッドVAエッセンス(美容液)を採用しています。
ご興味がありました、お気軽にお声掛けください♪


②ビタミンC(水溶性ビタミン)
ビタミンC(アスコルビン酸)は皮膚や粘膜の健康維持に大切な栄養素として、コラーゲンの合成やビタミンEの再利用に関与するだけでなく、最近では、抗酸化作用が注目されています。
シミの予防、改善や皮膚にハリをもたせるなどの抵抗力を高めたり、癌や動脈硬化の予防、老化防止など、様々な働きが知られています。
また、酸化防止剤として多くの飲料や食品の劣化防止に利用されています。人間は体内では合成できず、食事からビタミンC を摂取せなければいけません。

摂取推奨量は男女共に1日100mgです。

✴︎ビタミンC含有食品✴︎
緑黄色野菜(パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツ、トマトなど)、芋類、果物(ゴールデンキウイ、いちご等)

◉壊血症
ビタミンCが不足すると壊血症になり、皮膚や粘膜から出血します。正常なコラーゲン合成ができなくなり、皮膚の血管を保護しているコラーゲンも減少して血管壁の結びつきが弱くなるため出血しやすくなると考えられます。
コロンブスがアメリカ大陸に上陸した際、長い船旅で新鮮な野菜や果物を食べることができず、船員が壊血症になったことで有名になりました。

◉ビタミンCと美容
ビタミンCは美容と深く関係しており、メラニンを還元して褪色させる働きがあります。
また、脳下垂体から分泌されてメラニンの形成を促すMSHと呼ばれるホルモンの働きも抑えます。
そのため、色素沈着改善や紫外線防御のための予防的投与や、日焼け後の肌荒れやシワ改善、ニキビ治療にも効果があります。
治療としては、一日1000〜1500mgの大量内服が必要です。

◉ビタミンC誘導体配合化粧品
ビタミンCは古くから美白剤として使用されており、色素沈着を防止したり、メラニン増殖抑制効果があります。
ただし、吸収性が悪く、安定性に欠けることから、化粧品に配合してもすぐに酸化して壊れてしまうため美白剤としての効果はあまり期待できませんでした。

しかし現在は、皮膚の中に吸収されてからもビタミンCとして作用する誘導体(L-アスコルビン酸2-硫酸、リン酸L-アスコルビンマグネシウム)が開発されています。
これらの誘導体は皮膚への浸透性もよく、チロシナーゼ活性抑制(メラニン生成阻害)、メラニン還元(色素沈着を防ぐ)などの美白作用があります。シミやくすみ、赤ら顔(酒さ)の改善やシワ予防、ニキビ治療などに効果的です。
また、レーザー治療のアフターケア(炎症後色素沈着(PIH))にも有効です。

デメリットとしては皮脂分泌抑制作用が強く、敏感肌の方やドライスキンの方には刺激が強く向かないこともあります。


③フラーレン
最近注目されているフラーレンという成分は、ノーベル賞を受賞したサッカーボールのような形をした炭素分子です。フラーレンはシミやシワなどの肌老化の原因となる活性酸素を無害化する、ビタミンCの何倍も高い抗酸化能力を持っています。
ビタミンCと混ぜることで相乗効果があるとされています。化学的に安定しているので、抗酸化力が長時間継続します。

当院で採用しているクリニック専売品『プラストリア UVローション』には、このフラーレンと脂溶性ビタミンC誘導体(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)が配合されています。
紫外線からだけでなく、ブルーライト・近赤外線をカットすることにより、肌を守る日焼け止めです。特にレーザー・光治療前後など完全遮光したい方におすすめです。

ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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