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皮膚の栄養考えていますか??

[2024.09.04]

少しずつ暑さが和らぎ、秋の風が吹きますね。

皮膚に必要な栄養は、基本的に食物から摂取します。化粧品は、皮膚の表面に潤いを与え、滑らかで、ハリと弾力のあるふっくらとしたものにすることはできても真の皮膚の栄養にはなりません。今回は、真の皮膚の栄養についてお話ししたいと思います。

①皮膚の栄養条件

皮膚の栄養は、皮膚を健康に保ち、生活している間に皮膚が受ける様々な刺激に対する抵抗力を強めるものです。その目的は、皮膚の健康と美しさを少しでも長く持続させることです。
そのときに大切なことは、“皮膚は身体の一部“という考え方です。身体の健康のないところに皮膚の健康はありません。

✓ 一日に男性2300〜3000kcal、女性1700〜2300kcalの食物を摂取する
✓ タンパク質(13〜20%)、炭水化物(50〜65%)、脂質(20〜30%)のバランスがとれたものを摂取することが大切です。特に一日に男性75〜95g、女性は55〜75gのタンパク質が必要です
✓ ビタミン、ミネラルを十分に摂る

②美容によい食事条件

美容によい食事の定義は『健康食の条件を満たし、特に皮膚の成分、あるいは皮膚の働きに必要な栄養分を含んでいるもの』と考えられています。

✓ 上記の健康食の条件を満たすもの
✓ 一日のタンパク質の必要量のうち2分の1は動物性タンパク質であること
✓ 炭水化物の多い食事は避けること
✓ カルシウムを多く摂取し、カリウムを少なめに
✓ アルカリ性食品を日常の食生活に取り入れること

動物性タンパク質を多く摂るべき理由は、皮膚や毛、爪の主成分はケラチン、つまり硫黄を含むタンパク質であり、このようなタンパク質は動物性タンパク質だけに存在しているからです。
また炭水化物の量が多いと、皮膚の抵抗力が弱くなってきます。
カルシウムは日本人の食事では不足しやすく、不足すると神経系が不安定になり興奮しやすく、皮膚も過敏になって抵抗力が弱まります。

一般的にアルカリ性食品が推奨されているのは、血液の酸性度が高まると皮膚が過敏になるためです。しかし、血液のpHは7.4前後でアルカリ性ですが、食物によってそれほど変動するものではありません。また、酸性食品の中にも美容上必要で、欠かせないものがたくさんあります。
そのためアルカリ性食品を摂取しなければと神経質になる必要はありません。
アルカリ性食品を日常の食生活に取り入れることを心がけるだけで十分です。

◎弱アルカリ性食品
小松菜、ジャガイモ、キャベツ、アスパラガス、牛蒡、きのこ類、カボチャ、豆腐、バナナ、りんご等

◎強アルカリ性食品
牛乳、トマト、きゅうり、かぶ、にんじん、大根、ほうれん草、蜜柑、こんにゃく、昆布、葡萄等

◎弱酸性食品
ハム、バター、鶏卵、エビ、たこ、鯛、川魚、チョコレート、マカロニ、蕎麦等

◎強酸性食品
牛肉、豚肉、鮪、牡蠣、チーズ、清酒、落花生、ソーセージ、糖類、ビスケット、白砂糖等


③栄養と美容

●タンパク質と美容
一日のタンパク質の必要量は、男性75〜95g、女性55〜75gです。供給源は主に牛肉、豚肉、魚介、鶏卵、牛乳などです。
これと一緒に摂取することの多いバターやチーズはいずれも酸性食品です。
そのため、タンパク質と一緒にアルカリ性食品の野菜や果物と一緒に摂るように気をつけましょう。

動物性タンパク質は、皮膚の角化が順調に行われるために必要であり、これが不足すると、皮膚の表面がカサカサしてきます。真皮の弾力繊維、結合繊維もタンパク質からできているので、不足すると皮膚の弾力やハリにも関係してきます。
また、毛や爪を丈夫に保つためにも、動物性タンパク質が必要です。

タンパク質は、肝機能においても解毒という重要な働きをしています。
したがって、必要量のタンパク質を摂ることによって、間接的に皮膚も保護されるのです。

●炭水化物と美容
炭水化物は美容の敵とされていますが、健康食としてカロリーを一定に保つためには、炭水化物が含まれていることが重要です。
ただし、炭水化物を摂りすぎると、皮膚にいろいろな障害を及ぼしかねません。
例えば、皮膚の水分量が増加して、あらゆる刺激を受けやすくなり、皮膚炎や細菌感染を招きやすくなります。
また、炭水化物は脂肪に変化して体内に蓄えられるため、肥満になりやすいだけでなく、皮脂の分泌量が増えてニキビや脂漏性皮膚炎を招きやすいです。特に、脂性肌の場合は注意が必要です。
炭水化物の過食(アルコール摂取も同様)は、体内のビタミンB群、特にビタミンB1B2の消費量を増やしてしまいます。
そのため、炭水化物と同時にビタミンB群をしっかり摂ることが必要になります。

●脂質と美容
脂質を多く摂ると、皮脂の分泌が増します。同時に、皮脂の質的な変化も起こるとされています。
ただし、皮脂に対する影響は摂取する脂肪の質によっても異なります。例えば、豚肉の脂肪はニキビが悪化しやすいですが、牛肉ではそれほど悪化は目立ちません。また、同じナッツ類でも、種類によってニキビのできやすさも変わります。

●ミネラルと美容
ミネラルの血中濃度は健康に大きく関わります。
例えば、ミネラルは血液の浸透圧を一定に保つ上で重要です。
また、血液と皮膚との間の水分バランスを一定に保つ上で重要です。特に、食塩の役割は重要で、一日男性7.5g、女性6.5g、平均7gの摂取が適量とされています。
カリウム量も、皮膚の水分量に影響する。カリウムが少なくなると、皮膚の水分量が増して浮腫が現れます。一般的にカリウムは植物性食品に多く、カルシウムは動物性食品に多く含まれています。そのため、植物性食品を多く摂る日本人の食事はカリウムが多くカルシウムは少ないです。
カルシウムは、一日当たり男性750mg、女性650mgが必要量とされますが、日本人の平均的な食事では含有量は一日500mgにすぎません。
カルシウムが不足してくると、身体の抵抗力が弱くなり神経系が興奮しやすくなり、その結果皮膚も不安定になります。
そのため皮膚疾患の治療にも昔からカルシウムが使用されています。カルシウムが体内に吸収されるためには、ビタミンDの働きが重要です。
そのため、ビタミンD不足にならないように努め、日光浴を十分に行い、鶏卵や椎茸、牛乳などビタミンDの多いものを摂取しましょう。

マグネシウムやリンは、穀物の中に多く含まれています。マグネシウムは、尿中に排泄されるときにカルシウムの排泄を促す働きを持ちます。
そのため、カルシウム摂取量を考えるときはマグネシウム量にも気をつける必要があります。

また、鉄にはビタミンB12、葉酸などと共に増血作用があり、ケイ素は皮膚の弾力のために必要です。

栄養失調が続くと、最初に皮膚が乾燥しカサカサになり、ハリが失われ皮膚の色が黒くなってきます。皮膚が変色するほど栄養失調が進行した場合、副腎や性腺、下垂体の働きも鈍ります。

バランスの良い食事を心がけ、心身共に健康を目指しましょう。
自然に肌に艶とハリが出てきます。

肌トラブルなどのご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

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