メニュー

虫刺されが治らない?それはトビヒかもしれません。

[2024.07.08]

治らない虫刺され、広がる湿疹・・・。それは『とびひ』かもしれません!

蚊が増える時期、子どもの虫刺されが治らず悪化したことはありませんか?
掻きむしることで悪化し、なかなか治らないことありますよね。
今日は『とびひ』について詳しくお話ししたいと思います。

目次
1.とびひ(伝染性膿痂疹)とは
2.原因
3.受診の目安
4.主な治療法
5.家庭でのケア

1.とびひ(伝染性膿痂疹)とは

夏季に多く、乳幼児や小児に出現しやすい皮膚細菌感染症です。水疱や膿疱、かさぶた(痂皮)を伴う膿痂疹が主な症状です。
虫刺され(虫刺症)、湿疹、けが(外傷部)、アトピー性皮膚炎の引っ掻き傷に初発し、家事のように周囲にどんどん広がることから「とびひ」と呼ばれています。
保育園や幼稚園などで集団発生することもあり、高温多湿の夏季、まさに今の時期増えてくる皮膚疾患です。
また、アトピー性皮膚炎の顔面に生じると重症化することもあり、適切なケアが必要です。

2.原因

とびひの原因は黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌感染です。
虫刺され、湿疹、けが、アトピー性皮膚炎の掻きこわしなど、皮膚のバリア機能が低下した部位から細菌が侵入して発生します。
とびひは水疱性膿痂疹と痂皮性膿痂疹に分けられます。
水疱性膿痂疹は生じた水疱が容易に破れて細菌を含む内容物が他の部位に波及して新しい水疱を次々に形成します。
乾くと、かさぶた(痂皮)を形成し、あと(瘢痕)を残さずに治癒します。
痂皮性膿痂疹では水疱を形成することは少なく、膿疱や黄色のかさぶたが多発します。幅の広い年齢で突然発症し、発熱やリンパ節腫脹を伴うこともあります。
乳幼児、幼児期共に、顔やうで、足に症状が出やすいといわれています。

3.受診の目安


✓ 子どもの顔面や四肢に小水疱、びらん、かさぶたが多発してきた
✓ 皮疹がどんどん拡大している
✓ 子どもが通っている保育園、幼稚園でとびひが集団発生している
✓ 顔面を中心に膿疱が多発し、厚いかさぶたが固着して、発熱やリンパ節腫脹も伴っている

4.主な治療法

①鼻の中(鼻腔)やのど(咽頭)にも原因菌がみられ、菌の供給源となることがあるため、抗菌薬の内服を行います。
②黄色ブドウ球菌にはセフェム系抗菌薬、溶連菌にはペニシリン系抗菌薬が有効です。
③湿疹を合併したものでは、膿痂疹に抗菌外用薬、まわりの湿疹にはステロイド外用薬を使います。
④浸潤傾向が強い病変やかさぶたの固着がみられる場合は、抗菌外用薬と亜鉛華軟膏の重層を行います。
⑤ごく軽傷例では、抗菌外用薬のみで軽快することもあります。
◎診察時には以下のことを伝えましょう
・いつ頃から皮疹が出現したか
・家族内に同じような症状が出ているか
・子どもが通っている保育園・幼稚園で「とびひ」が集団発生しているか
・子どもが皮疹を頻回に触っているか

5.家庭でのケア

1患部は1日1回、石鹸をつけてしっかり洗浄しましょう。これが重要です。タオルなどは強要しないようにして下さい。
2洗浄後は抗菌外用薬を1日1回〜2回塗りましょう。症状が軽い場合は抗菌外用薬のみで軽快することもあります。
3病変部をガーゼや包帯で覆う事で、接触による周囲への菌の感染、皮疹の拡大を防ぎましょう。
4湿疹部位に出現した場合は、湿疹自体の治癒もしっかり行う必要があります。
5爪を短めに切り、掻破による悪化も防ぎましょう。かゆみが強い場合は抗アレルギー剤を内服することで痒み自体を軽減させることも有効です。
6周囲にうつしてしまう可能性があるため、タオルは家族とは別のものを用意しましょう。
また、完全に治るまでプールは控えたほうがよいでしょう。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME