花粉による肌荒れについて
5月になり、少しずつ花粉は減ってきたものの、まだマスクやアレルギー薬を手放すことができない方も多いのではないでしょうか?
花粉症による症状は、鼻水や鼻詰まり、目のかゆみが一般的ですが、花粉により皮膚のかゆみや赤み、肌の熱っぽさといった皮膚炎の症状も現れます。
花粉による肌荒れはなぜおこるのでしょうか?
乾燥や日焼けにより、皮膚の角質部分(もっとも外側部分)のバリア機能が低下し、花粉が肌に侵入することでアレルギー反応が起こり、肌荒れやかゆみなどの症状が引き起こします。
特に肌が乾燥しやすい方や、アトピー性皮膚炎を持っている方はこのバリア機能が低下しやすく、花粉などの外部刺激に敏感になっています。
角質部分のバリア機能には
●肌内部の水分保持
●外的刺激から身体を守る
役割があります。
花粉症に悩まされる2月から4月は特に空気が乾燥し、日差しが強くなってくることでバリア機能が低下してしまうのです。
では、このバリア機能を低下させないためにはどうしたらよいのでしょう?
まずは肌に刺激を与えない!!
肌は非常にデリケートです。
ゴシゴシと強い力で洗顔をしたり、洗顔後強い力でタオルで拭いてしまうと刺激を与えてしまいます。
洗顔はしっかりと泡立たせてから行い、拭き取りはハンドプレスで優しく行いましょう。
またティッシュで鼻水をかむことで摩擦が起こり、マスクの着脱も同様に肌への刺激となります。
ティッシュやマスクも出来るだけ肌に優しい素材を使用してください。
次に、乾燥から肌を守る!!
肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下するため、十分な保湿が必要です。
入浴後や朝の洗顔後には、乳液やクリームをしっかり、優しくハンドプレスしながら塗ることが最も大切です。
当院ではクリニック専売品のスキンケアも取り揃えております。
歴史あるレーザー会社JMECの化粧品
プラスリトリアは治療経過に応じたスキンケアや、治療中のデリケートな肌でもお使いいただける肌にやさしい製品です。
もちろん、レーザー治療をされていない患者様にも広くお使いいただいております。
私自身もプラスリストリアを使用していますが、肌への刺激が少なく、日焼け後の肌にも浸透しうるおいを与えてくれます。
商品が気になる方はぜひお声がけください☺︎
保湿剤についても解説していきます
基礎化粧品やボディクリームなどの働きとして、皮膚に潤いを与え保つ保湿効果は最も重要な機能です。
基本的に3種類あり、
軟膏(エモリエント)
クリーム(モイスチャライザー)
ローション
に分かれます。
保湿力は軟膏>クリーム>ローションの順で、
●軟膏(ワセリン、プロペト)
白色ワセリン、ベビーワセリンなど
油性成分のみのため、皮膚表面の保護作用に優れています。
また刺激が少なく様々な疾患に使用しやすい利点もあります。
ただし、軟膏自体は水分を保持する機能が低いため、皮膚に水分がある状態でなければ効果が少なく、乾燥時はローションやクリームを塗布後に軟膏(ワセリン)を薄く塗っていただくことをおすすめします。
●クリーム
ヘパリン類似物質クリーム、ヒルドイドクリーム、尿素など
一般的にクリームと呼ばれるモイスチャライザーは皮膚を保護しつつ、角質の水分を保持する効果があります。
皮膚に馴染みやすく洗い流しやすい利点はありますが、軟膏と比べると刺激になる可能性もあるため肌質や症状に合った保湿剤を使用してください。
●ローション(乳液、保湿液)
ヘパリン類似物質ローション、ビーソフテンローションなど
水分量が多く、さっぱりとした使い心地のため、夏の暑い時期や、お子様にも使用しやすい保湿剤です。
日焼けによる肌への影響についても解説します
日焼け止めは紫外線(UVA・UVB)を散乱ないし吸収することによって、皮膚に吸収される紫外線を減らし、太陽紫外線による刺激から皮膚を守るものです。
紫外線による皮膚への刺激はサンバーン(特にUVBによって引き起こされる皮膚の紅斑)、サンタン(サンバーンの3〜4日後に生じるメラニン合成の増加(皮膚の黒化))だけではなく、局所ならびに全身性の免疫機能低下があります。
度重なる日焼けにより肌荒れ、シミやくすみ、シワたるみといった光老化も起こります。
サンバーンやサンタンを引き起こすほどの強い紫外線でなくても、慢性的に紫外線を浴びると皮膚の細胞内では紫外線のエネルギーを吸収することで主にDNAが損失を受け、また紫外線により発生する活性酸素が酸化ストレスを引き起こし、細胞や体の組織に損傷を与えるのです。
UVAよりもUVBの方が身体への作用が強いですが、UVAはより皮膚の深部まで到達して真皮の細胞にまで影響を与えます。
そのため、紫外線の予防のためにはUVBとUVAどちらも防御することが必要となります。
花粉による肌荒れ対策としても、必ず日焼け止めを塗っていただくことをおすすめします。
次回、日焼け止めの種類や使い方、SPFやPAについてお話ししたいと思います!