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日焼け止めについて解説します

[2024.05.25]

前回、紫外線による肌への影響をお話しさせていただきました。
今日は日焼け止めの種類や、塗り方、お子さまの日焼け止めの選び方についてもお話しさせていただきたいと思います。

紫外線はビタミンDの生成、殺菌など有益な作用をもっていますが、その反面過度に浴びると色素沈着を生じ、細胞を傷つけ、老化を促し、最悪の場合には、皮膚癌の原因になるなど有害な作用も併せ持っています。

では、直射日光を浴びなければ紫外線の影響を受けずにすむのでしょうか?
紫外線量は天候や季節によって変動しますが、
曇りの日は快晴の日の50~60%
雨の日でも30%前後
は降り注いでいると言われています。
季節的には冬には少なく、夏に多いと思われていますが、実際には2月でも紫外線量は真夏の80%あります。
つまり、紫外線対策が必要なのは、晴れの日や真夏だけではないのです。

紫外線は波長によってUVA、UVB、UVCに分かれています。

★A紫外線(UVA)
UVAは紫外線の中で最も波長が長く、皮膚の基底層から真皮にまで達してメラノサイトの働きを活発にさせます。
そのため、周囲の細胞にたくさんのメラニンが送り込まれ、皮膚が黒くなり、細胞にもダメージを与えて皮膚の老化を促進させます。

★B紫外線(UVB)
UVBはUVAに比べると、皮膚に対する刺激が強く、急激な作用で紅斑を起こします。
数日後には紅斑もおさまり、皮膚が黒くなります。
さらに長時間UVBを浴びていると、水疱や軽い熱傷を生じる場合もあります。真皮に達したUVBはコラーゲン、エラスチンにダメージを与え、また細胞内のDNAを損傷させ、それが皮膚癌へとつながる可能性もあるのです。

★C紫外線(UVC)
UVCは最も波長の短い紫外線で、細胞を破壊するなど有害な作用が強いのですが、日光光線中のUVCは大気中のオゾン層に散乱・吸収されるため、地表に届くことはほとんどありません。

日焼けは、日光(紫外線)暴露が表皮メラニンの防御能力を超えたときに起こるため、紫外線の強い時間帯や地理的条件(海や山)には注意が必要であり、日焼け止めクリームや飲む日焼け止めを活用することが必要になってきます。

日焼け止めの原理について

市販されている日焼け止め(サンスクリーン剤)の主な成分には、UVAとUVBを吸収する働きをする紫外線吸収剤と、紫外線を散乱させる働きのある紫外線散乱剤とがあります。
また、最近では紫外線よりもさらに波長の長い可視光線や赤外線A波が皮膚により強いダメージを与えることが解明されています。

日焼け止めには、有害な光線の防止効果に加えて、次の条件が必要です。

○皮膚の上に薄く伸ばしたときに皮膚に密着し、不愉快な感じを与えないもの

○日光に当たって分解されたり、変色したりしない安全なもの

○できるだけ皮膚への刺激や感作が少ないもの

○汗をかいたり、濡れたりする場合に備え、水で落ちにくいこと

日焼け止めは数時間で効果が下がるため、こまめに塗り直ることが大切です!
通常の生活であれば、女性はメイク直しのたびに、男性なら半日ごとに塗り直す必要があります。
強い日光に当たるほど早く効果が落ちるので、野外で活動するときは、2~3時間ごとに塗り重ねた方が良いのです。

よく目にするSPFやPAはどんな意味があるかご存知ですか??

SPF値(sun protection factor)とは主にUVBに対する防御指数であり、日焼け止めを使用することによって、何も使用しない場合の何倍の量の紫外線を防御できるかを示したものです。

わかりやすくいえば、SPF2の日焼け止めは、日焼け止めを塗らない皮膚に比べて、2倍長い日光浴で同程度の日焼けをするということです。

よく見かけるSPF50の日焼け止めは、日焼け止めを塗らない皮膚に比べて、50倍長い日光浴で同程度の日焼けをするといることになります。

つまり、SPFが大きいほど日焼け止め効果も高くなるのですが、肌への負担も大きくなります。
実際に必要なSPF値の目安は、紫外線の強い時期でも、日常生活ではSPF15前後、戸外でのスポーツ、行楽などの場合はSPF30前後と言われています。

次に、PA値(protection grade of UVA )はUVAに対する防御指数であり、以下のように示されています。

PA+…UV防御効果あり「生活紫外線の対策」

PA++…UV防御効果かなりあり「生活紫外線・屋外で活動する時の対策」

PA+++…UV防御効果非常にあり「屋外での活動が長いときの対策」

PA++++…UV防御効果極めて高い

常に効果が高い日焼け止めを塗ったほうがよいというわけではなく、その日の天候や生活シーンに合わせてSPFとPAを選ぶ必要があります。
一般に日焼け止めの使用量はメーカーが希望する量よりもかなり少なく、SPF効果をもたせるには、厚く塗るか、数時間後に重ね塗りすることおすすめします。

最後に、子どもの日焼け止めの選び方について解説します

デリケートな子どもの肌には日焼けしにくいだけではなく、子どもの肌への負担が少ないものを選びましょう!

①SPF値、PA値
SPF値、PA値が高いものは焼けにくい傾向にありますが、肌への負担も大きいため、SPF20~30、
PA++あたりの日焼け止めを選びましょう。

②塗り心地
こども用日焼け止めはペタっとする重めのテクスチャーと、サラッとしたみずみずしいテクスチャーがあります。
ペタっとするクリームタイプの方が肌への密着度が高く日焼けしにくい傾向にありますが、塗りムラがでたり、ベタつく感覚を子どもが嫌がる場合があります。

サラっとしたジェルやミルクタイプの日焼け止めは伸ばしやすく軽い塗り心地のため、ムラなくたっぷり塗ることで、クリームタイプと同様の日焼け止め効果を発揮することができます。
しかし、大人と同様、2~3時間おきにこまめに塗り直すことが大切です!

③刺激になりにくい成分
商品を選ぶときは、紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸エチルヘキシルやパラアミノ安息香酸など)を使用していないノンケミカルタイプを選びましょう。

また、PG・DPG・ペンチルグリコール・エタノールは、量が多いと敏感肌への刺激になりやすいため、無添加、テスト済みと記載されているものをおすすめします。

※紫外線防御材として配合される酸化亜鉛は金属に由来する成分のため、金属アレルギーがある場合は注意が必要です。

④石けんで落とすことのできる日焼け止めを
日焼け止めの洗い残しは肌への負担になります。
ウォータープルーフ仕様でないものを選び、実際に石けんで落ちるか試してから、お子さまに使用していただくことをオススメします。

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