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水痘・帯状疱疹

水痘とは

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染による症状です。このウイルスは感染力が強く、飛沫空気感染・接触感染によって広がります。発熱と頭皮を含む全身皮膚(粘膜にも)に小水疱を認めます。水疱は次々と出来るためかさぶたになった水疱や新しくできた水疱が混在することがあります。約7~10日程度で水疱はカサブタになって治癒します。2014年からは水痘ワクチンの定期接種が開始されており、発症が減ってきておりますが、大人が感染すると肺炎や脳炎を起こすことがあり注意が必要です。

 

帯状疱疹とは

水痘帯状疱疹ウイルスは水痘として初感染し、水痘が治った後も神経節に潜伏します。その後、疲労やストレス・加齢・病気や手術などをきっかけに帯状疱疹として症状が再燃します。経過としては脇腹あたりにチクチクとした痛みが出現し、その後水ぶくれがポツポツと出現します。水ぶくれは2~3週でカサブタになりますが、痛みは1~3ヶ月程度(平均40日前後といわれている)継続することがあります。しかし、痛みがしつこく残り(通常3ヶ月以上)日常生活にも支障が出るような場合は帯状疱疹後神経疼痛になっている可能性があり、痛みのコントロールが必要になります。

帯状疱疹は脇腹あたりに症状が出現することが一般的ですが、腕や太もも、顔面(三叉神経という神経領域)にも症状が出現することがあります。特にハント症候群といって末梢性顔面神経麻痺や内耳神経障害などを伴う場合には後遺症が残らないためにも早期治療が重要となってきます。

 

水痘帯状疱疹の診断・検査

水痘帯状疱疹は症状の経過と特徴的な皮疹により多くの場合は診断が付くことが多いです。しかし、腕や太ももなどに症状がある場合には診断に苦渋することがあります。水痘帯状疱疹の検査方法としてTzanck試験、血清抗体測定などがあります。最近ではデルマクイック®といって簡便な検査キットも販売されており、非常に有用です。

鑑別診断:単純ヘルペス、接触性皮膚炎など

水痘帯状疱疹にかかったときの注意点

水痘は非常に感染力が強く学校保健法でも発疹がすべて痂皮化(カサブタになるまで)するまでは出席停止となります。帯状疱疹では水痘ほどの感染力はありませんが、水痘にかかったことのない人(子供や妊婦)との接触はできるだけ控えるようにし、特に皮疹出現後3日程度は感染力が強い時期ですので注意して下さい。

水痘帯状疱疹の治療

単純ヘルペスの治療薬と基本的には同じものを使用しますが使用期間が異なります。抗ウイルス薬の目的は重症化の予防と周囲への感染リスクを低下させることです。できるだけ早期に内服するほうが有効であるといわれております。また帯状疱疹の場合は神経痛の長期化の抑制のためにも早期内服が重要となります。

内服

抗ウイルス薬としてバラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビル、アシクロビルがあります。アメナビルのみ胆汁排泄であり、腎機能が悪い方などに使用されております。水痘帯状疱疹の場合は7日間内服を行いますが、皮疹出現から72時間以内に内服を行ったほうが効果が高いといわれております。内服を開始してから直ぐに効果が出現するのではなく4日程度してから効果が表れるので内服を開始しても一時的に症状が悪化することがあります。帯状疱疹で顔面神経麻痺などの症状がある場合にはステロイドの使用を行うことがあり、耳鼻科などをご紹介することがあります。

痛み止め

帯状疱疹の場合は肋間神経痛などの症状を伴うため痛み止めを使用します。通常の痛み止め(NSAIDSやアセトアミノフェン)などで効果が低い場合にはオピオイド鎮痛薬などを使用します。帯状疱疹後神経性疼痛として後遺症が残る場合には抗うつ薬や抗けいれん薬などを併用する場合もあります。

外用剤

近年薬局などでも市販されております。頻回塗布が必要になります。内服が困難な場合に使用することが多いです。

点滴

発熱などの全身症状がある場合や脳炎、肺炎の合併が疑わる場合に使用します。入院が必要なので近隣施設をご紹介致します。

ワクチン

2014年から水痘帯状疱疹ワクチンが定期接種となっております。ただ、年齢を重ねると免疫力が低下し、帯状疱疹に罹患する可能性があります。現在50歳以上、水痘にかかったことがある方を対象にワクチン接種(自費)ができるようになりました。帯状疱疹は再発の可能性もあるので投与を検討されてもよいかと思います。

 

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