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ほくろの治療(除去)

ほくろ(母斑細胞性母斑、黒子)とは

ほくろは、母斑細胞性母斑と呼ばれ、神経堤(脊椎動物の発生の過程で形成される)からの由来で色素細胞にもシュワン細胞にも分化しきれなかった未分化な母斑細胞が増殖したものです。一般的に遺伝は関係ありません。色調は黒色のものもあれば肌色(皮膚色)のものも存在します。以前は色調があることを前提として“色素性母斑”と呼ばれていましたが、最近では色が薄いものも存在しそれらも含めて“母斑細胞性母斑”と医学的には呼んでおります。世間では小さいものを“ほくろ”と呼び、大きなものは“黒あざ”と呼ぶことが多いようです。特に成人で直径が20cm以上のものを巨大色素性母斑と呼び、そこに毛が生えているものを獣皮様母斑と呼びます。小さいほくろであれば問題になることはありませんが、大きなものであれば癌(悪性黒色腫)の発生母地となる可能性があるといわれており、注意が必要です。ほくろには似たような外観を呈する腫瘍がたくさん存在し、きちんと診断をすることが重要です。診断には視診、ダーモスコピーを用いた診断が有用ですが、判断に迷う場合には病理検査(一部分を採取)を行います。ほくろはありふれたできものですが、中には基底細胞癌や悪性黒色腫が混ざっていることもあるため注意が必要です。私自身、ほくろと思い切除したら癌であったとの経験があるためより慎重に診断していくことが重要だと考えております。また、経過も重要で随分前からあったほくろが悪性になることは稀ですが、最近気が付いたほくろや徐々に大きくなるペースが速くなっているものには注意が必要です。ほくろは整容性(見た目が気になる)の改善を目的に切除を希望される場合と、腫瘍の性質(悪性かどうか)が心配で切除を希望される場合があります。切除の目的によって保険適応とならない場合もありますので、診察時にご相談下さい。

ほくろと似たできもの

脂漏性角化症、皮膚線維腫、扁平母斑、青色母斑、スピッツ母斑、基底細胞癌、悪性黒色腫など

小さいほくろ(~10mm)の治療

術式:単純切除術(皮膚腫瘍切除術) 手術時間10~20分程度

ほくろを作る細胞は表皮~真皮内(皮膚の少し深いところ、脂肪の上の層)に存在します。ほくろを再発なく切除するには垂直方向は脂肪組織まで切除する必要があります。また、水平方向は肉眼的にほくろがある部分よりも周囲にほくろ細胞が存在することがあるため0.5~1mm程度離して切除します。もちろん部位などにより多少の変化はつけておりますが、ほくろの正しい切除とういのうは見た目よりもわずかに大きく切除することが重要であると思います。円形のほくろを切除する場合には切除の仕方も様々です。しわのラインに沿って傷を仕上げる場合にはほくろよりも大きい紡錘形(舟形)に切除して直線状に縫合します。ただ、この方法は傷が長くなるため部位によっては目立つことがあります。

術式:巾着縫合術(皮膚腫瘍切除術) 手術時間10~20分程度

単純切除術ではほくろよりも大きな切開線が残ってしまうため抵抗がある方もおられます。巾着縫合術はほくろをそのままの形に添って円形に切除し、縫合糸を巾着状にかけることでクシュっと縮めてしまいます。大きさが5mm以下の小さいほくろの場合には切開線が大きくならずに小さい傷のまま治療を行うことも可能です。また、炭酸ガスレーザーと異なり腫瘍を皮膚全層で切除できるため再発の可能性も低くなることが利点です。欠点としては皮膚のしわの方向に沿わない傷となってしまうため場所によっては返って傷が目立つ場合もあります。

炭酸ガスレーザー 手術時間10分程度

顔面の盛り上がったほくろに適応があります。この方法では切除というよりも“削る”といったほうがイメージが湧きやすいかもしれません。ほくろ部分を真皮中層まで削り、あとは傷の治癒力で治してしまう方法です。サイズと部分を選べばきれいに治療することができますが、取り残しが問題になり後に再発することがあります。ただ、再発した場合には再度削ることで対応ができます。確実にほくろの診断が付いている場合にのみ行える方法です。

大きいほくろ(10mm~)の治療

術式:皮膚腫瘍切除術+皮弁作成術 or 全層植皮術 手術時間30分程度

人間の皮膚はゆとりがある場所では多少大きなサイズの欠損があっても縫い縮めることが可能です。ただ、皮膚のゆとりが少ない部分(顔面や手足など)では変形を生じる場合があります。欠損が大きいときには①局所皮弁術(近傍の皮膚をずらして欠損を被覆する)、②植皮術(体の任意の部分より採取した皮膚のみを移植する)を考えます。顔面では皮膚の質感の問題もあるため①が適応になる場合が多いです。ただ、②でも皮膚の採取する部分を工夫することで①に劣らない結果を得ることが可能です。この方法の欠点は、余計に皮膚切開を加える必要があるため瘢痕(傷跡)が目立つことがあります。そのため術後の傷のケアも術後数ヶ月は継続して頂く場合があります。

術式:分割切除術 手術時間15~30分程度

“黒あざ”のように面積が大きいほくろの場合には、一度で切除することが困難なことがあります。そのため数回に分割して切除を行うことがあります。1回目はなるべくほくろの中で切除できる範囲で行い、さらに2回目で残りの部分を切除します。3回目では傷跡が目立つ場合にジグザグに瘢痕を切除して仕上げを行うケースが多いです。それぞれの手術の間隔は3ヶ月程度を目安にしておりますが、患者様のご都合に合わせて設定しながら行っていきます。デメリットは複数回手術をするため治療期間が長くなることです。あまりに大きいサイズの場合には皮膚を伸展させる風船(エキスパンダー)を皮下に留置して切除することもありますが、この方法では全身麻酔が必要になります。

合併症

出血、血腫、感染、創部離開、瘢痕拘縮(傷跡が目立つということ)、術後疼痛、再発、再手術の必要性、局所麻酔に伴うアレルギーなど

皮弁術:皮弁の部分壊死が稀に起こることがあります

植皮術:植皮の生着不良、皮膚採取部のトラブル

*診察時に詳しくお話させて頂きます。

術後の通院、処置について

術後は翌日あるいは翌々日に再診をして頂きます。ドレーンを留置している方は必ず術後処置に来院されるようにして下さい。ドレーンが抜去できればシャワー浴が可能となります。抜糸前は自宅での処置を行ってもらいますが、通院ご希望の方はご相談下さい。抜糸は部位にもよりますが、7日を目安に行っております。抜糸後は傷保護テープを開始して頂きます。抜糸が終了すれば1か月後、3か月後を目安に傷の確認、再発の有無などを確認します。

病理検査について

当院では切除した検体を病理検査に提出しております。稀に皮膚がんや想定外の腫瘍の可能性があるので必ず施行しております。病理結果は14日程度で結果が判明しますので外来受診の際に結果をお伝え致します。

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