乾癬
乾癬とは
原因不明の炎症性角化症のひとつです。皮膚の生え変わり(ターンオーバー)が異常に早くなり、皮膚に特徴的な皮疹が無数形成される難治性の疾患です。男性に多く、日本人の発症率は0.1%程度であるといわれております。
乾癬の原因
はっきりとした原因は未だ不明であるといわれております。ただ、家族内発生が多いことから遺伝や生活習慣病などの因子の関与が指摘されております。
乾癬の症状
青年期以降の発症が多く、全身どこでも特徴のある皮疹(表面にカサカサした鱗屑を伴う境界明瞭な皮疹)が出現します。特に擦れやすい肘や膝などが好発部位といわれております。爪乾癬といって爪にも症状が出現することがあります。また、関節症性乾癬といって関節痛などを合併することがあります。皮疹の特徴的な外観から診断は容易なことが多いですが、場合によっては皮膚生検が必要になることがあります。
鑑別診断:アトピー性皮膚炎、扁平苔癬、慢性湿疹など
乾癬の治療
ステロイドやビタミンD3などの外用剤での治療を行います。かゆみなどがある場合には抗アレルギー剤の併用を行います。最近では免疫抑制剤や生物学的製剤の治療も行われておりますが、当院では行っておりません。
ビタミンD3外用剤
活性型ビタミンD3は皮膚の増殖を抑制し、抗炎症作用により症状を緩和します。ステロイド外用剤で認める皮膚萎縮、毛細血管拡張、感染症などの副作用がないのはメリットですが、刺激性や高Ca血症(特に腎機能障害がある場合)、効果の出現までに時間がかかるといった点がデメリットとされています。1日の使用量が多くなりすぎないよう注意しながら使用していきます。ビタミンD3外用剤は保湿剤やステロイド外用剤と併用することでより治療効果が得られやすくなります。
ステロイド軟膏
ビタミンD3と混合した製剤もありますが、部位によってステロイドのランクを調整しないといけないためビタミンD3外用剤とステロイド外用剤をそれぞれ単独で処方することがあります。
かゆみ止め
かゆみ止め(抗アレルギー剤)の内服を使用することがあります。副作用として眠気がありますが、眠気のこないものをなるべく選択しますが、お薬との相性もあるので眠気があるタイプのお薬がよく効果を発揮することもあります。