まぶたのできもの
まぶたにはほくろをはじめ様々なできものができることがあります。
まぶたによくできるできもの
まぶたにしかできないできものとして霰粒腫・麦粒腫(いわゆる“ものもらい”)があります。また、眼瞼黄色腫といってコレステロールが沈着する特徴的な疾患もあります。他にはほくろや小さいぶちぶち(ひりゅう腫、汗管腫など)などが挙げられます。眉毛の中にあるほくろなども治療の対象となります。
治療
まぶた、眼の周りのできものは眼の機能や構造にも影響を及ぼすため切除に関しては最大限の注意をしながら行います。また、まれに眼瞼にも悪性腫瘍が形成されることがあり注意が必要です。
術式:皮膚腫瘍切除
まぶたにできる腫瘍は小さいサイズのものであれば単純に切除を行います。サイズが大きいものであれば切除をしてしまうことでまぶたのひきつれを起こすことがあるので皮膚移植や皮弁移植を組み合わせることがあります。また眼の際(瞼縁という)にできものができた場合には腫瘍のサイズダウンを目的とした部分切除(レーザーを使用することもあります)や瞼の一部を切りとる楔状切除などを行うことがあります。ただ、欠損が大きくなる場合には全身麻酔での手術が必要になりますので近隣施設をご紹介させて頂きます。
小さいぶちぶちの場合は炭酸ガスレーザーで切除を行うことがありますが、再発が起こることがあります。
合併症
出血(まぶたは非常に出血しやすいため丁寧に止血を行いながら手術をすすめます)
血腫(まぶたの中に血が溜まると危険なため血腫が疑われる場合はすぐに傷を空けて止血を行います)
腫れ(腫れは2週間~1ヵ月程度継続します)
再発(腫瘍の部分切除の場合には再発を起こすことがあります)
眼の左右差(片方の眼周り、まぶたを手術すると左右差が出現することがあります。反対側の調整を行う場合もあります)
眼の機能障害(角膜障害、流涙など腫瘍を切除することで眼周りの機能に異常をきたすことがあります。場合によっては眼科医師の診察を行い方針を決定していくこともあります)
開瞼・閉瞼不全(腫瘍が大きい場合には閉瞼不全を起こすことがあります。また眼輪筋や眼の神経に異常があると開瞼不全が起こることがあります)
肥厚性瘢痕(傷跡が目立つことがあります)
など
術後の通院、処置について
術翌日に創部の確認を行います。瞼は安静が保つことが困難なた出血しやすい部位でもあります。夜間などガーゼへの出血が多い場合にはクリニックの夜間救急電話にご連絡下さい。抜糸は通常5~7日で行います。切除したできものは病理検査に提出し、病理診断を行います。これは約2週間で結果が分かるので改めて外来でご説明致します。